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渡豪前の英語力で役立っているもの | 日本人のための英語習得Tips


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別の記事で、筆者の渡豪前の英語力と渡豪後の英会話力の変化について述べた。

この記事では、筆者の渡豪前の英語力のうち、渡豪後の英会話力を伸ばすうえで役立った、あるいは今現在役立っていると思うものについて記載したい。

別の記事でも触れているが、渡豪前の英語と渡豪後の英語力の変化を簡潔に表すと下記となる。(別の記事で詳しく触れていないものについては※にて補足コメント記載)
役立った、あるいは役立っていると思われる渡豪前の英語力には★印を記す。


渡豪前の英語力

高校卒業レベルの語彙力、文法理解★
易しい英語を聞き取る力★
ある科学分野の論文を読むのに必要な専門的な語彙力
簡単なことを英語で書く力
 ※大学院時代のゼミ発表で、英語で発表資料を作る機会があったため時間をかけてではあったが簡単な英語を書けた

渡豪後に向上した主な能力

自然な会話表現(語彙、フレーズ)の習得
 - それら表現を聞き取る力
 - それら表現を使って話す力
ネイティブ英語に近い発音の習得
Web上のくだけた英語を読むスピードの向上
 ※くだけた英語表現に精通していなかったが、自然な会話表現を習得するとともにWeb上の英語の記事やコメントを読むようになったことで習得
時制に関しての文法理解
 ※語学学校で時制について復習し、特に現在完了、過去完了、完了進行形、仮定法、仮定法過去についての文法理解が深まった。また、それを日常生活で意識して聞き、話すようになった


渡豪前の英語力の中で役立った、あるいは役立っているものとして、いうまでもなく高校卒業レベルの文法と語彙力が挙げられる。
これらを習得していなければ、日常的に見かけたり聞いたりした中で調べなければならない単語やフレーズ、文法がもっと多かっただろう。渡豪後に向上した能力として挙げた『時制に関しての文法理解』にも繋がった。ただし、これらは語学学校に通っている際に復習する機会があったうえ、一度覚えた語彙、文法を忘れてしまっており日常生活で調べなおす機会が何度もあったので、役立った、あるいは役立っている程度としては限られるという印象である。

易しい英語を聞き取る力は、語学学校の先生が言っていることを理解すること、ホームステイ先のホストマザーが喋っていることを理解することに少しだけ役立った。易しい英語を聞き取る力があっても、先生やホストマザーが言ったことを初めは50%も理解できなかったが、これが無かったらもっと理解できていなかっただろう。

その他、『科学論文を読むのに必要な語彙力』、『簡単なことを英語で書く力』は使う機会が無く、ほとんど役に立っていない。別の言い方をすると、これらを身に着けていなくても今と同程度の英会話力が身についていたと考える。

 

ここで強調したいのは、渡豪前の英語力は渡豪後の英会話力向上にさほど貢献していないということである。役立った、あるいは役立っているものとして挙げた『高校卒業レベルの文法と語彙力』、『易しい英語を聞き取る力』は、渡豪後に習得した『自然な会話表現』などの能力と比較すると、英会話力向上への貢献が極めて少ないと感じる。極端なことを言うと、渡豪前の英語力が筆者の当時のものよりももっと低かったとしても、習得スピードや今到達しているであろうレベルは多少下がるかもしれないが、大きくは変わらなかったのではないかと筆者は推測している。

『高校卒業レベルの語彙力や文法力』について言うと、日常的な会話でどのように使うのか、使われるのかを知らない限り、あまり役に立たない。
読者の皆さんは、大方が高校レベルの英語まで教育を受けているのではないかと思うが、下記のことを英語で言えるだろうか?これらは私の仕事場でよく使う表現であるが、高校レベルの語彙、文法力を使って表現されるものである。

・トラックが着いたよ。
・休憩に行ってくる。
・そこにある箱を取ってもらっていい?


これらの自然な表現としては、下記となる。
・トラックが着いたよ。
 The truck is here.
・休憩に行ってくる。
 I'm going to have a break.
・そこにある箱を取ってもらっていい?
  Can I have that box?/Can you get me that box?/Would you be able to get that box for me?

私は少なくともこれらの表現を渡豪前までは知らず、もちろん使えなかった。語彙力や文法力よりも重要なのは、何かを伝えたいときにどのような表現で伝えられるのか、そしてそれを言われたときに聞きとって理解する能力である。

『易しい英語を聞き取る力』について言うと、こちらで特にネイティブが話す英語は言うまでもなく容赦ないスピードであり、使われる表現も手加減が無く、易しい英語を話してくれるような人はほぼいない。この容赦ない英語を1年7ヶ月聞き取ろうと足掻いてきた今となっては、当時の『易しい英語を聞き取る力』は、ほぼ何も聞き取れないの変わらないようなレベルという印象である。
おもしろいことに、急に思い立ち、つい数日前、YouTubeに挙がっているTOEFLのリスニング問題を試しに友人と解いてみた。TOEFLは7年前に受験したことがあったが、当時は問題文が話されるスピードが非常に速く感じ、半分以上はサイコロを転がして解答を選んでいた感じだった。しかし今回は、短い会話文、長いスピーチ、各設問文の聞き取りも含め、もちろん知らない語句はいくつかあったが、95%は理解できたと感じた。問題文が話されているスピードが遅いとさえ感じ、肩の力を抜きながら聞き取りをしても理解に全くと言っていいほど苦しまなかった。

これまでの記述を踏まえ、最後に英会話学習に関してコメントする。今英会話の習得を目指している方のなかで自分の語彙力や文法力の習得に力を入れている方へ向けて。『語彙力・文法力』は実践的な英会話力の習得にさほど大きく貢献しなかもしれないので、もっと『自然な会話表現』の習得(使い方の習得・聞き取り)に力を入れたほうがいいだろう。『語彙力・文法力』については、自然な会話表現の習得の過程で、知らないものに出くわしたら都度調べて習得していけばよい、というスタンスがおすすめである。