どうやったら英語が話せるようになるのか？
日本で生まれ育ったほぼ全ての人が一度は考えたことがあることだろう。この質問に対する回答は、一言で答えられるほど簡単なものではない。日本の英語教育制度の改善が未だに大きな課題となっていることからも、それは明らかである。「日本人は英語ができない」というイメージは日本国民の頭の中に刻まれており、日本人という民族集団の大きなコンプレックスの１つという印象さえある。
中には留学して英語力を伸ばした人、必死に勉強を重ねて英語ができるようになった人もいるだろうが、多くの日本人が、特に英語を「話せる・聞ける」ようになることに苦労しているのは明らかである。英語を伸ばしたいのだけれどなかなか伸びず苦労している。そんな人を対象に自分の経験から少しでも助言ができればと思ったのがこのシリーズを書き始めたきっかけである。
貴重な海外滞在中に時間とエネルギーを使って書くからには、良質な記事を書くよう全力で努めたい。英語習得の方法論に関する日本語のWeb記事は大量にあるが、日本人の英会話力は一向に伸びているように思えない。そうした意味で、日本人の英語力底上げを目指すという観点からは、それら著者の誰一人として成功していない。そうした記事群を総体として捉えても、もちろん成功しているとは言えない。無論、日本の英語力底上げはWeb上の記事だけでは解決しない。ただ、１つのブログをきっかけに多くの人の考え方や行動を変えたり、その先にはもっと大きなものを変えるということも、可能性はゼロではないと思う。このシリーズは、その極めて小さな可能性への期待を捨てずに書きたい。
初めに言っておくが、このシリーズは、『高校レベルの英文法と語彙力を習得済みの人』を対象にしており、一から英語を学び始める初学者向けのブログではない。初学者向けにたくさんの素晴らしい教材やブログがあるはずなので、そちらを参考にしてもらいたい。また、英語を伸ばす簡単な方法を探している人向けのものでもない。英語の習得に簡単な方法はないというのが筆者個人としての意見である（比較的『楽』な方法ならば見つけられるかもしれない）。
また、英語習得の過程が好きな人向けの情報が中心となるので、「英語習得自体が好きではないけれど英語を伸ばさなきゃならない」という人向けのブログでもない。短期間でTOEIC○点以上取得しなければならない、というような人は別の情報を当たってほしい。
このブログのメインテーマは、
英語の中級者向けに英語を聞ける・話せるようになるための方法論や有用な情報を紹介すること
である。
方法論については、時間をかけてでもなるべく楽しみながら習得できるようなものを多く紹介したい。紹介する方法論や情報は、筆者の英語学習と留学の経験から得られたものである。記載内容は全て正直であること、Google Adsenseによる広告掲載はしているが、他のセールス的なことには一切関わっていないことを誓う。
ここで、筆者自身の英語力がいかほどのものかを察して頂くために簡単に自己紹介をしたい。私はオーストラリアに一時滞在中であり、現時点（2020/5/25）で1年7カ月ほどこちらにいる。基本的に日常生活での会話はほぼすべてが英語である。オーストラリア人のハウスオーナーとスイス人ハウスメイトと一緒に暮らしているし、電話対応含め、全て英語でのやりとりが必要な仕事を1年以上続けている。
こちらでできた日本人の友人と出かけることもあるし、日本の友人と電話することもあるので100%英語とは言えないことも一応断っておく。
今は英語に関して日常生活で特に困ることはない。歯医者の電話予約も最近自分でしたし、海外の生活で必要な手続き等全てを英語でできている。
読者の中には、私が保持している資格やTOEIC等試験の点数に興味がある人がいるかもしれないが、私は、今の自分の英語力を示すためにそれらを公開する気はない。その理由は、資格や試験の点数で人の英語コミュニケーション力をはかれないというのが筆者の意見だからだ。私はこちらに来てから、ハイレベルな資格を保持しているにも関わらず、ネイティブスピーカや日本以外の友人とスムーズに会話ができない日本人をたくさん見てきている。リアルな英語でのコミュニケーションとテストの点数はさほど比例しないというのが持論だ。
なので私はテストの点数に興味がない。海外の学校に入学するための条件として必要なことがあるので、そのために必要なら取ればいいだけの話で、英語力をはかってもらうために誰かに示すものではないと思う。
私は、言語習得の得意不得意はあるかもしれないが、時間をかければ誰しもが習得できるものだと思っている。
ただ、受け入れなければいけない事実として、英語の習得には必ず時間がかかる。英語を第二言語としてしっかり話せる友人は、口を揃えて『時間がかかる。数ヶ月で話せるようになるのは不可能』という。『○○すれば○ヶ月で英語が話せるようになる』という類のキャッチーなフレーズに騙されてはいけない。インターネットや本屋でよく目にするあのフレーズは、英語が話せるようになりたくて苦労している層をターゲットにしたビジネスを企んでいる連中が根拠なしに使っているものだと断言できる。
時間がかかるからこそ、英語習得が好きであること、習得のモチベーションを長く維持できることが非常に重要だと筆者は考える。
このブログでは、英語習得を好きな読者がモチベーションを維持できるよう、良質で有用な情報を提供していきたい。
筆者も未だに英語力を伸ばしている真っ最中である。非ネイティブスピーカとして、ネイティブスピーカには永遠になれないことを理解しつつ、それでもなるべく近いレベルに到達して同じ土台でコミュニケーションを取ることが私の目標である。
読者の皆さんと目標を共有し、一緒に英語を伸ばしていけることを楽しみたい。
ブログの中でところどころ英語を使う予定である。筆者も英語習得中であるがゆえに誤りが見られるかもしれないが、それについては前もってお詫び申し上げたい。
当シリーズが、「日本人は英語ができない」というレッテルを消すことに少しでも貢献できれば幸いである。
