筆者の心霊体験(?)記事、第9回。
今回は私の体験ではなく、私の祖母から聞いた話。祖母の妹、つまり私の大叔母(おおおば)に起こった出来事。
※この心霊体験シリーズは、下記のもとで記載することとしている。
・信憑性を保つため、私自身、あるいは私の身内(家族)の体験に限る
・ 体験したことをリアルに伝えたいので、ザ・怖い話といった感じのオチのあるよな書き方にはできないかもしれない
・体験の恐怖度のレベルを、私自身が感じる怖さから5段階「甘口、中辛、辛口、激辛、超激辛」で表す
※このレベルは最近ハマっているYouTubeチャンネルの オウマガトキFILM さんのをマルパクリした形である。(オウマガトキFILMさんへ。無断でマルパクリしてすみません…どうかお許しを。)
それでは、さっそく今回の話に移る。
怖さレベルは・・・ 辛口
※この記事を書きはじめる直前、祖母に大叔母への事実確認をしてもらい、その後起こった事の詳細を電話にてヒアリングした
それは、大叔母が私の地元にある比較的大きな会社で働いていた頃のこと。
その会社は当時、敷地の半分ほどを別の会社に売るための準備を進めていたようだ。売る予定の敷地には、お稲荷様が祀(まつ)られた祠(ほこら)があったようだ。その祠は会社のものとして設置されていたため、敷地の売却に合わせて場所を移動する必要があったとのこと。
一時的にとある神様(おそらく祖母の言う神様は、神との正しい接し方を知っている者のことを指す)のところに祠を預け、移動先の準備が整いしだい持って帰って設置する
という段取りだったらしい。その祠の移動作業を担うこととなったのが私の大叔母と他の男性職員2名。
祠を一時的に預けるために、神様のところへ持って行く日。
男性職員と大叔母は祠を大きめの車に積み込む作業を終え、車を走らせたようだ。そして、祠を神様のところへ預けて会社へ戻る道中、大叔母は自分の体調に違和感を覚え始めたのだという。具合が悪くなってくると同時に、自分の目が吊り上がっていく感覚を覚えたとのこと。
車に同乗していた男性職員2人も大叔母の異変に気づき、目が吊り上がっていると騒いだらしい。「お稲荷様の祟(たた)りだ。狐(きつね)に憑かれたに違いない」、そう話した彼らだが、対処法もわからないので、とりあえず様子を見ることに。
その日の仕事を終えて帰宅した大叔母だが、症状が未だに治まらないので、助けを求めるように姉妹たちに電話をしたようだ。電話をした先には私の祖母も含まれていたようだが、祖母は電話に出られなかったとのこと。
電話がつながった姉妹の一人は、「一人で家にいるのは危険だから家に泊まりに来なさい」と言ったようだ。意識が遠のきそうになりながらも、やっとのことで姉の家に着いたそうだ。
家に着いた大叔母はすぐに横になり、意識はさらに遠のいていったとのこと。大叔母の姉の夫婦は、看病をしながら話かけていたようなのだが、大叔母の反応がうつろなものだったことから、ひどく心配したとのこと。
そんな状態で夜を明かし、翌朝になっても大叔母の体調と、キツネのように吊り上がった目は変わらぬまま。心配がさらに増した大叔母の姉は、その日のうちに大叔母をとある神社に連れていったそうだ。
神社の神主様は大叔母を見るなり、「狐に憑かれている」と言ったそう。そしてすぐにお祓いをした。お祓いが終わった後の大叔母は、体調がみるみる回復し、顔つきも元の状態に戻ったという。そして大叔母は、「姉の家に着いた直後から今までのことは、何も記憶がない」と言ったそうだ。
その後、一時的に預けられていたお稲荷様の祠は、しっかりと祈祷がおこなわれ、無事に移動先への設置が完了。そして、大叔母に同様な症状が出ることは二度となかったらしい。
しかしそれ以来、大叔母は、お稲荷様に関わることを極度に恐れるようになり、私の祖母含め、姉妹に「お稲荷様を怒らせてはいけない」と言っていたようだ。
祠を動かした大叔母、そのとき、神様を怒らせてしまうようなことをしてしまったのだろうか。
祖母はこう言う。
(以下、南部弁。下に和訳有。)
「むがすがら、きづねが憑ぐってはなすはよぐあったんだ。○○(私の大叔母の名前)がお稲荷さんをうごがすてたどきに、ただられだんだー。きづねが遊んでだんだべ」
(和訳)
「昔から、キツネが憑くという話はよくあったものだ。○○(私の大叔母の名前)がお稲荷様を動かしてたときに、祟られたんだろう。狐が遊んでたのだろう。」
どうやら狐は、稲荷神社に祀(まつ)られる神様の使者のようだ。
大叔母たちが正規の手順に従わないなどの理由で、神様の逆鱗に触れてしまった可能性は否定できない。そして本当に祟りがあるのなら、使者のキツネによる災厄をこうむってしまったのかもしれない。
この話を初めて聞いたのは、私が小学校高学年のとき。それ以来、稲荷神社を見るたびに私の頭には「お稲荷様を怒らせてはいけない」という言葉がよぎるのである。
おまけ
さらに祖母は、下記のような実話を教えてくれた。
- 祖母が若い頃に住んでいた村では、「狐がついている家」というのが噂になり、その家で起こった悪い出来事は、狐の仕業だと信じられていた
- 狐が家につく理由の1つとして、「家の敷地内に神社や祠がある場合、年1回、べっと様(おそらく神社の神主さんのような意味)を呼んで拝んでもらう」といった儀式を怠ってしまっていたためと信じられていた
- 祖母の本家では、狐がついていると噂されている家から貰いものをしたことがあったのだが、それを貰った後に複数の災難が続いた
- 災いの1つは、本家の子供(祖母の従妹の子供にあたる)が急に体調を崩し、その翌日に亡くなった。亡くなった直後、肛門は異常なほどに大きく開いており、そこには狐の毛のようなものが無数に付いていた。子供に憑いていた狐がその穴から出ていったのだと皆が信じた
- もう1つは、祖母の祖父が囲炉裏でタバコを吸い、灰を捨てるために囲炉裏を叩いた際、複数のキツネが部屋の隙間から突如現れた。その後、恐ろしくなって外へ飛び出した祖母の祖父。家に戻る前にトイレへいった際、足が異様なほどにむくんでいるのに気づいた
私の祖母が実話として教えてくれた一連の話、信じるか信じないかは、あなた次第である。