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私の心霊体験(?) 第4回 職場の農場で私と同僚の2人だけが見て触ったもの


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筆者の心霊体験(?)記事、第4回。

連載4回目の記事、「」という数字に縁起の良さを感じないので、今回は身近な人に強く関わる内容は避けたいと思う。また、なるべく心霊現象っぽさを感じない体験を選ぶこととした。

 

それでは今回の話へ。これは筆者がオーストラリアの農場で働いていたときの不思議な体験である。

 

※この心霊体験シリーズは、下記のもとで記載することとしている。

 ・信憑性を保つため、私自身、あるいは私の身内(家族)の体験に限る

 ・ 体験したことをリアルに伝えたいので、ザ・怖い話といった感じのオチのあるよな書き方にはできないかもしれない

 ・体験の恐怖度のレベルを、私自身が感じる怖さから5段階「甘口、中辛、辛口、激辛、超激辛」で表す
  ※このレベルは最近ハマっているYouTubeチャンネルの オウマガトキFILM さんのをマルパクリした形である。(オウマガトキFILMさんへ。無断でマルパクリしてすみません…どうかお許しを。)

 

怖さレベルは・・・ 甘口

 

それは、今から1年半以上前、2019年の6~7月に起こった。

当時私は、パース郊外のとある農場で、オーストラリア出身のディーンという若者と2人1組で仕事をしていた。商品にラベルを貼ったり、ボックスを作ったり、荷造りをしたり、トラックに商品を積んだりという作業に従事していた。

一見、軽作業系の仕事に聞こえるかもしれないが、ラベルを貼るときやボックスを作るときは大型の機械(指や手を切断する恐れありの表示有)を使ったり、20キロ以上あるものを頻繁に手で運んだりと、重労働というのは大袈裟かもしれないが、そこそこ身体と神経を使うような仕事だ。

 

ディーンは当時27歳。年齢が近いこともあり、私達はかなり打ち解けた感じで仕事をしていた。ちなみに、今はそれぞれ別の職場で働いている我々だが、今でもディーンとは連絡を取ることがあるし、2人で釣りにいったり酒を飲んだりすることもある。

 

ディーンと1ヶ月以上ペアで働き、仕事にだいぶ慣れ、仕事場での緊張感がだいぶ薄れてきたある日のこと。我々はいつものように仕事を進めていた。

商品にラベルを貼る作業をしていたのだが、必要な商品が他のチームから渡ってくるのが遅く、待ち時間になることが多い日だった。待ち時間の間は他にやることが無いので、雑談をしたり、ディーンに日本語を教えたり。

そしてその時期は、人目を盗んでやんちゃをするようになっており、ビニールテープをぐるぐるに丸めてボールを作り、我々の作業部屋で野球やサッカーをしていた。

 

掃除用の大きなホウキをバットにして遊んでいた野球にも飽き、「暇だなー。まだかよー」と言いながら、客から入ったオーダーを再度2人で眺め、何時頃に終われそうか話していた。

我々の作業場は屋内。2階建ての建物のメインの入り口とは真逆の位置にある部屋。裏口的な感じでシャッターがあり、入ってすぐは出荷時に使うボックスを作る部屋。その部屋と我々の作業部屋は透明な厚いカーテンで仕切られている。

ボックスを作る部屋は狭く小さなもので、我々の作業に必要なものが置いてあるうえ、外に出る際は必ずそこを通るので、頻繁に出入りする場所である。

 

我々が暇を持て余してオーダーを眺めていたのは、そのボックス部屋に続くカーテンのすぐ近く。次は何をして暇つぶししようかと2人で考えていたその時、

ゴォーン、バーン、カラッカラーンカラーン

という大きな音がすぐ近くで鳴った。

 

かなり驚いた我々は、音の方向を確認する。すると透明なカーテン越しに銀色の物体が見えた。カーテンを開けてみると、我々が立ち話をしていた場所からたった2mほど離れたところに、3mほどの太い鉄の棒が落ちている。そしてその脇には、我々がさっきまで野球で使っていた大きなホウキが。そのホウキの柄は、真っ二つに折れてしまっていた。

 

ディーンが言うには、音がしてその方向を見たとき、鉄の棒がバウンドしながらホウキに直撃したのが見えたという。

何が起こったのかよくわからなかったが、我々は部屋の天井を見たり、外に誰かいないか確認したりしたが、手がかりが無かった。とりあえず2人でその鉄の棒を持って部屋の脇に寄せることにしたのだが、その棒の重さに我々は驚いた。2人で運ぶのも苦戦するほどの重さがあったのだ。

 

「いやこれ危ねぇよ。俺らに直撃してたかもしれないし、当たってたら俺ら死んでたよ」という話をしながら、とりあえず上司に報告しようということになった。

 

私は上司に電話で報告したあと、外や近くの部屋で働いている者に起こったことを話しにいった(我々の作業部屋の近く及び外で働くことが許されている者は数名しかいないのだが、その全員に話をした)。ディーンはその間トイレへ。

ディーンがトイレから戻ったところで、話していた職場の者たちを連れ、我々は鉄の棒が落ちた現場へ向かった。現場に着いた私とディーンは、目を見合わせて「え??」と言った。

 

あの鉄の棒が消えている・・・

 

鉄の棒が落下した時点からたった5分しかたっていない。しかも、1人の人間が簡単に運べるものではない。

ちなみにホウキは真っ二つに折れたまま。

 

我々は若干気が動転した感じで、「確かに、さっきここに鉄の棒が落ちてきたんだ。そしてそれがこのホウキに当たって折れたんだ。鉄の棒はここに置いたんだ」と訴えたが、他の者たちはきょとんとしながら「本当にそんなこと起こったのか?」という表情だった。

そうこうしている間に上司と社長が来たので、状況を説明した。しかし、肝心の鉄の棒がそこに無いため、「本当のこと言ってるの?」と真面目に取り合ってくれなかった。

真剣なのか冗談なのか、その場にいた職員の1人は、「ゴーストじゃないか?」と怪奇現象系の話につなげようとし始めた。社長に、「前に社長が夜1人で来たとき、3人の幽霊がこの部屋にいたのを見たって言ってたよね?そいつらがやったんじゃないの?」と言う。社長は、心なしか何かを隠していそうな表情で、「いやいや、そんなことはない。私は何も見たことがないよ」と言った。

本当に起こったことなのか怪しいという雰囲気になってしまったため、上司は「まぁ、もし鉄の棒が見つかったら教えてよ」と言い、その他の者たちと共にそれぞれの作業場へ戻っていった。そしてディーンと私も、不可解さを抱えたままではあったが、作業に戻ったのだった。

 

鉄の棒が落ちてきて、消えた。いったい何だったのか?

 

なお、あの日から1年以上農場で働いた私だが、それ以来あの鉄の棒を見ることは一度もなかった。

 

私はその日仕事から帰った際、ホームステイ先のホストマザーに起こった事を話した。すると、なぜか話の途中から、「何が起こったのか私にはわかる」というような表情に変わった。ちなみにホストマザーには毎日のように仕事場でのことを話をしていたので、私とディーンがどんな感じで仕事をしているのかを知っていた。

 

私の話を全て聞き終えたホストマザーはこんなことを言った。

「私は何が起こったのかわかる。きっとそれは警告。仕事場には危険がいっぱいあるから安全に気をつけなさいという警告。農場にも大きな機械がたくさんあるでしょ。最近あなたは職場でやんちゃしてるって言ってたよね。だから気をつけろって誰かが言ってるんだよきっと。そしてそれが誰なのか、私にはわかる気がする」

 

その話を聞いた私は、ホストマザーが誰からの警告だと思っているのかを悟った。ホストマザーは、20年近く前に、職場での事故で旦那さんを無くしている。その旦那さんからの警告だと思ったのだろう。

ホストマザーが言いたいことを理解した私は、「本当のところはわからないが、確かに仕事場では気を引き締めなければな」と思った。そしてホストマザーの話をディーンにも伝え、その後の我々は、仕事場で危険な作業をするときは前以上に注意するようになった。

 

今でもたまにディーンと、「意味わかんなかったなーあれ」と、あの出来事を回想する。

 

落ちてきた鉄の棒。ディーンと私は、確実に、その棒を見たし、手に取って運んだと記憶している。そして確実に、我々が直前まで野球に使っていたホウキは真っ二つに折れた。そして鉄の棒は何故か消えた。

あるいは、実はあの鉄の棒、そもそも実在するものではなく、何者かが我々に鉄の棒を見せ、触った感触を持たせただけなのかもしれない。その「何者か」は、ファームで社長が見たという3人の霊なのかもしれないし、ホストマザーの旦那さんなのかもしれない。

いろいろと考察することはできるが、ディーンと私がその本当の理由を知る機会は一生やってこないだろう。

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