iamaheroのブログ

iamaheroのブログ

オーストラリア在住者が書くブログ

MENU

日本人は英語習得に比較的苦労する | 日本人のための英語習得Tips


スポンサードリンク


筆者個人的に、日本人はラテン系の言語圏出身者と比べて英語の習得に苦労すると考えている。
これは、語学学校や仕事場で出会った日本人、日本人以外の人から受けた印象である。なお、私が出会ったラテン系の言語圏出身者は、ヨーロッパ諸国や南アメリカ出身者であり、具体的にはスイス、ドイツ、フランス、ブラジル、コロンビア、チリ出身者が多かった。

日本人が英語の習得に苦労する理由は大きく3つあると考えている。
1つは、日本の社会では英語に触れる機会が非常に少ないことである。
日本で長年過ごしている方は、学校の授業、テストのための勉強以外で英語に触れる機会がほとんどないだろう。広告、店名、商品名、シャツのデザインなどで英語の単語や文章を見かけることはあるかもしれないが、その意味に注意を払わないことが多いだろう。
留学生と触れ合う、仕事で海外の人と関わるなどの特殊な状況にいない限り、生活の中でのコミュニケーションのほぼ全てが日本語となるはずであり、英語を使う必要性もなければ触れる機会すらほぼ無い。
スイス出身の友人から聞いたのは、スイスではテレビで英語圏の番組が放送されており、小さい頃から見る機会があるというようなことである。他の国ではどうかわからないが、その話を聞いたときは、少なくともスイスでは英語を触れる機会は日本よりは明らかに多いであろうと予想ができた。

もう1つの理由は、教育の問題である。
日本の英語教育は、テストにおける点数至上主義によって、コミュニケーションが軽視されてしまっている。これによって、英語でのコミュニケーションの練習が日本では圧倒的に欠けている。
また、英語の先生が英語を話せないのも問題である。少なくともヨーロッパ出身の友人が口を揃えて言っていたのは、彼らの国では英語の先生がネイティブか、ネイティブに近いレベルで英語を話せるということである。日本人の英語の先生のほとんどは、ネイティブの本気の日常会話を50%も聞き取れるレベルに達していないはずだと自信を持って筆者は言える。
ちなみにこうした傾向は、韓国でも同様だと韓国出身の友人が話していたので、日本だけの問題ではなさそうである。

日本人に英語習得が難しい最後の理由は、母国語と英語の類似性が低いことである。
英語の基本的な語順は『主語+述語+目的語』であるが、日本語は『主語+目的語+述語』である。一方、ラテン系の言語は英語と同じ語順なはずで、文法構造的に英語に近いはずである。

例えば、下記の例文で語順を比較したい。

 英語: I can join her birthday party.
 ラテン系の言語: 『Iに代わる語』『canに代わる語』『joinに代わる語』『herに代わる語』『birthday partyに代わる語』.
 日本語: (私は(省略可))(彼女の(省略可))誕生会に行けます。

筆者の予想では、ラテン系の言語の大半では、助動詞、所有を表す語の位置も含め語順が英語と全く同じで、それらがラテン系言語での語句に置き換わるだけなのではないかと思う。一方で日本語では語順が変わるだけでなく、主語や所有を表す語が、特に会話では省略されることが自然である。

こうした類似性の違いは、言語習得の難易度に大きく影響しているはずである。

以上が、日本人がラテン系の言語圏出身者と比べて英語の習得に苦労すると考えられる理由である。

勘違いをしてほしくないのは、私はラテン系の言語圏出身者にとって英語習得が簡単だということは言っていない。友人との話から察するに、彼らは彼ら特有の難しさがあるようで、決して英語習得が簡単ではないようだ。言語が似ているからこそ、母国語との切り分けが難しいという側面もあるのではないかと思う。

下記に、彼らが言っていた難しさを思い出せる限りを挙げる。
 ・時制の違い
  スペイン語圏出身の友人は、英語の時制はスペイン語よりも少ないため、時制を減らして考えるのが大変だという類のことを言っていた
 ・forとtoの切り分け
  スペイン語では、英語でtoを使う場面でforを意味するスペイン語の単語を使うことが多いようで、切り分けが難しいと言う話を聞いたことがある
 ・名詞の性別
  ポルトガル語では、少なくとも名詞に性別があるようで、性別によって冠詞が変わったり動詞が変わったりするようである。そうした概念がない英語では、概念が減る分簡単になるのかもしれないし意外にも難しくなるのかもしれない。

もう1つ勘違いしてほしくないことは、日本人にとって比較的習得が難しいということは、最終的に到達できる英語のレベルが下がるということを意味していない。習得に比較的時間がかかるであろうと予想されるだけであり、到達するレベルに関しては悲観する必要がない。
英会話に関して言うと、英語を話す能力の向上において、流暢さ正確性の2つが非常に重要な要素だと語学学校の先生が教えてくれた。その先生はまた、ラテン系の国出身者は、流暢性が高いが正確性が低く、日本などアジア出身者はその逆の傾向があり、正確性という点では、我々日本人も誇りを持つべきだと言っていた。また私は、平均的なラテン系の国出身者よりも正確で流暢に話すことができる日本人を何人か見てきている。
自身が見たり聞いたりしてきたこれらのことから、日本人が最終的に到達できる英語力はラテン系出身者に劣らないはずだと自信を持って言える。