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習うより英語に慣れたほうが良い | 日本人のための英語習得Tips


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『習うより慣れろ』という諺がある。

意味は、『人や本から教わるよりも、自分が練習や経験を重ねたほうが、よく覚えられるということ。』(故事ことわざ辞典より)であるそうだが、これは英語力、特に英会話力の向上に非常によく当てはまることである。

語学の習得は、楽器を演奏できるようになる過程に似ていると聞いたことがあり、筆者はそれに納得している。楽器に限らず、スポーツ、バレエ、絵を描くこと、料理などなど、実践的なスキルが必要なものの習得過程に関しては、『習うより慣れたほうが良い』という意味で英語習得の過程に似ていると思う。楽器の演奏については、楽器のしくみや楽譜の読み方を覚えた(=習う)だけでは演奏できるようにならず、たくさん演奏して演奏自体に"慣れる"ことで演奏スキルを身に付けていく。もう1つサッカーの上達を例に挙げてみるが、サッカーは、試合をたくさん観戦したり本でサッカーを学んだり、足技を動画で見て覚えたりウイイレサッカーゲーム)が強くなったりした(=習う)からといって、サッカー自体は上達しない。実際にボールを触ってボールコントロールに慣れたり試合に出場して試合中のポジショニング、ボールの持ち方、相手とのかけ引きなどを肌で覚える(=慣れる)ことで上達していく。

英語習得に関しても上記例と同じように、慣れることが英語を上達されると筆者は確信している。そのため、これまでの記事でも触れているが、私の英語習得の基本的なスタンスは、実際の会話や英語ネイティブが実際に見て楽しんでいるTV、映画、YouTube動画等のリソースから英語を学ぶこと(=慣れること)である。私はここ1年程は教材を使った勉強(=習うこと)をしていない。

『英語を習うより英語に慣れたほうが良い』と思う筆者なりの理由がある。

理由の1つは、教材を使った勉強だけでは到達できない(あるいは到達するのに非常に時間がかかる)英会話のレベルがあると考えているからである。
どのようなリズムで話すか、どのように発音するか、どのような状況でどういった言葉を選ぶか。これらは英語で会話するうえで極めて重要なことであるが、教材を使った勉強により"習う"ことで効率よく習得するのが非常に難しいと思われる。逆に、実際の会話やTV等にて英会話に触れる機会を増やし、慣れていくにつれて、自然と身についてくるものと考える。

理由の2つ目は、完璧な文法の知識や高い語彙力の習得よりも、自然な表現を肌で覚えるほうが言語習得過程の本質をついていると思うからである。
我々は小学生低学年の頃、完璧な文法の知識や高度な語彙力を持っていなくても、友人とも家族とも先生とも会話ができていたはずである。こちらでよく遊ぶ機会があるホストマザーの孫息子(3才半、9才)、孫娘(6~7才)は、まだ文字で文章を書けないどころか、1語のスペルすら正確に書けない子もいるが、英語で弾丸トークする。これが暗に示していることは、『我々は言語を習う前に慣れることができる』ということである。そして、それが我々が母国語を学ぶ際に辿る順なのであるから、第2言語においてもその順序を踏むことが不可能ではないはずである。皆その順で母国語を習得した実績があるのだから、その逆の順よりは、実績がある順序のほうが適切な、あるいは優先されるべき習得順である可能性さえある。もちろん、実際にはその順序で第2言語を習得するのが難しいのは言うまでもないが、だからといって、その難しさが『習うこと』が優先されるべき理由とはならない。英語に慣れるために必要な最低限の文法や語彙を身に着けたら、慣れることに比重を置くことが可能なはずである。

 

筆者が実生活で、英語習得が『習うより慣れる』に当てはまるなと思うのは、ネイティブスピーカの言っていることを真似して使うが、文法的になぜそうなるのかが分からないと気づいたときである。
例えば、下記を見てもらいたい。
 You finished?
 I'm done.
 What time the truck?
 Caught anything?(釣りの場で)
 Do you ever do it?
 My family will come visit me.
 go get "人の名前".

これらの表現はネイティブが使っているのを聞いたことがあるので、私が真似して使うことがあるが、文法的な説明ができない。それでもコミュニケーションが取れているので、それについて筆者は特に気にしていないが。


私は英語表現を習得する際に、文法的に正しいかどうかよりも、ネイティブスピーカが使う自然な表現は何なのかを常に意識している。
自然な表現に慣れ、それを使えるようになると、自然と正しい文法が身に付く傾向にあるはずである。例えば、『You doesn't have it』と聞こえたとき、あるいは自分が言ってしまったときに、英語に慣れている人であれば何かが違うと思い、『You don't have it』が自然だなと思うはずである。もう1つ皆さんへの馴染が少なそうな例を挙げると、『I'm crazy today, am I?』と聞いたとき、あるいは言ってしまったとき、英語にだいぶ慣れている人であれば違和感を感じ、『I'm crazy today, aren't I?』が自然だなと思うはずである。そして、これらの例では自然だと感じるほうが文法的に正しい。

また、自然な表現を真似ようとした場合であれば、真似るときにうまく真似られず文法や表現自体が壊れてしまっても、英語を語順から意味を察してもらえるということもありそうである。
例えば、『At end of day, up to you. You choose, Me don't mind.』と言えば、『At the end of the day』、『It's up to you』、『I don't mind』が自然な表現なので、『At the end of the day, It's up to you. You choose it, I don't mind.』と言いたいことが伝わるだろう。これが、不自然な表現で『Finally, It depends on your decision. I'm Ok with both.』などとなってしまうよりは、聞き手がすんなり意味を汲み取ってくれるのは『壊れている自然な表現』のほうであろう。

『英語を習う』ことに重点を置いて英語を習得している方で、英語力の伸びに行き詰ったと感じる方がいたら、『英語を慣れる』ことに重点を置いてみると英語力が一段上に上がるかもしれない。

【参考になるWebサイト】

www.britishcouncil.org 正に、語学習得は『習うより慣れろ』だといった主張の記事である。ような第2言語は第1言語を習得した際と同様に、「learning(学ぶに近い意味)」ではなく「acquire(自分のものにするに近い意味)」するべきであるという記載が印象的である。